警察や検察で調書を作ったらどうなるのか、どう使われるのか?

刑事訴訟法ノート

はじめに

裁判で証拠と認められない証拠

があります。

それは伝聞証拠です。

警察の捜査に協力して調書を作っても

証拠で採用されないばかりか

警察にした話を

裁判でもしてください

ということになります。

こんなんじゃ

協力したくない

ってしまいますよね。

ですが、ちゃんと例外があって

証拠能力が認められる場合

があります。

その場合とは

証拠としての必要性が高いこと

などがあります。

今回は

警察や検察などの捜査機関に協力して

書面を作成した場合に

どうなるのか

どう使われるのか

を話します。

伝聞法則

伝聞法則とは

伝聞証拠には証拠能力を認めない

という原則のことです。

伝聞証拠とは

裁判所の面前での反対尋問を経ない供述証拠

のことをいいます。

つまり

供述者の話しを

警察官や検察官が書面にしても

裁判での証拠にできない

ということです。

理由

それは

供述証拠は

供述者が体験したことについて

知覚

記憶

叙述

という過程を経て

裁判官のところに届くものですが

どの段階でも

誤りが入り込む危険性が高いから

です。

知覚、記憶、叙述

知覚とは

感覚器官を通じて

外界の事物を見分け、とらえる働き。

記憶とは

過去に経験した事を

忘れずに覚えていること。

また、その覚えている内容。

叙述とは

物事について

順を追って述べること。

また、その述べたもの。

をそれぞれ指します。

このほか、嘘を表現する人

もいるでしょうから

裁判官に誤りが届くおそれがある

のです。

誤りが入り込む危険性

誤りが入り込む危険性

それは反対尋問ができないからです。

反対尋問とは裁判のときに

証人が証言したことについて

弁護人などが、その証言に対して

『見間違いはないのか』

などを質問して

証言の信用性を明らかにすること

をいいます。

反対尋問によって

正確性を吟味した話し

でなければ

被告人に処罰を与える材料

にはできないのです。

つまり

正確性の保障がない証拠を用いると

裁判官が判断を誤るおそれがあること

から認められていないのです。

伝聞法則の適用外

では、例外とはなにか。

そこで法律では

証拠としての必要性が高く

かつ

真実性担保にとって

反対尋問に代わる信用性の状況的保障があれば

例外的に証拠能力を認めています。

また

当事者が同意や合意した場合は

反対尋問権を放棄したのだから

証拠能力が認められます。

次は、その例外の例を挙げます。

例外の書面(裁判官が作成)

刑訴法321条1項1号の書面で

通称『1号書面』と呼ばれます。

裁判官が

供述者の話しを聞いて作った書面のこと

です。

例外となるためには

『供述不能』or『相反性』

のどちらかがあればよいです。

公平な立場である裁判官が

話しを聞いて作った書面は

信用性が高いのです。

供述不能とは

死亡、精神や肉体の故障、所在不明などです。

また、判例では

証言拒否も供述不能に含みます。

相反とは

裁判のときに

書面を作ったときに話した内容と

違うことを話したときのことです。

裁判官面前調書の場合は

前の供述の方が詳細で

証明力が異なるだけでも足りる

とされています。

例外の書面(検察官面前調書)

刑訴法321条1項2号の書面で

通称『2号書面』と呼ばれます。

検面調書とも呼ばれます。

検察官が

供述者の話しを聞いて作った書面のこと

です。

例外となるためには

『供述不能』or

『相反・実質的不一致+特信性』

のどちらかが必要です。

裁判官のときよりも

ハードルが高くなります。

検察官は

裁判官に処罰を求める側の者だからです。

供述不能とは

死亡、精神や肉体の故障

所在不明ほのか証言拒否も含みます。

相反・実質的不一致+特信性とは

裁判のときに

検面調書を作ったときに話した内容と違うこと

を話したときに、検面調書の供述に

「信用すべき特別の情況」がある場合

のことです。

裁判官が

「裁判で話した内容より

検面調書で話した内容のほうが

信用できる!」と判断したら

検面調書が例外として採用されます。

例外の書面(その他・・・警察官が作った調書)

刑訴法321条1項3号の書面で

通称『3号書面』と呼ばれます。

警察官が

供述者の話しを聞いて作った書面のこと

などです。

裁判官や検察官よりも

更に厳しい要件を満たす必要があります。

例外となるためには

書面について

『供述不能』

『証拠の不可欠性』

『特信性』の3つが必要

です。

裁判官や検察官に比べると

警察官に協力して意味があるのか

というレベルです。雲泥です。

供述不能とは

死亡、精神や肉体の故障

所在不明ほのか証言拒否も含みます。

供述不能なうえで、その内容に

『証拠の不可欠性』があることが必要で

証拠の不可欠性とは

犯罪事実の存否の証明に

欠くことができないこと

つまり、裁判官が

『これが無いと決められない!」

となったとき。

そこに追加される特信性とは

検察官のときより高いハードルで

求められます。

特に信用すべき情況においてなされたとき

とされていて

これを絶対的特信情況と呼びます。

だから、裁判での価値は低いんです。

しかし

裁判に至るまでの間で

検察官や裁判官が判断する材料

として使われます。

前の記事で

『基本的に裁判は検察官しか起こせない』

と書きました。

間違いなく

検察官が裁判するかどうかの

判断基準に使っているのです。

私たちの警察官への協力は

決して無駄ではないのです。

おわりに

今回は

警察官や検察官に協力して

調書を作ったときに

この書類がどのように使われるのか

どうなるのかということ

について書きました。

これからもみなさんの力になる記事を

書き続けます。

ご意見などあれば気軽にください。

相談などください。

ここまで読んでいただき

ありがとうございました。

コメント

  1. […] 警察や検察で調書を作ったらどうなるのか、どう使われるのか? […]

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