被疑者の防御権

刑事訴訟法ノート

はじめに

ニュースなどで

「○○容疑者が逮捕されました」

などとよく聞きますし

逮捕されてしばらく経つと

「○○容疑者の弁護士は…」

などと耳にします。

「金持ちだからいい弁護士を雇った」

などとも耳にします。

お金で雇った弁護士と税金で付いた弁護士

で、できる権限が違うと考えている方

がいると思います。

お金で雇った弁護士は、私選弁護人

と呼ばれます。

税金で付いた弁護士は、国選弁護人

と呼ばれます。

弁護士がつくタイミングに相違

がありますが、どちらの弁護士も

弁護活動の範囲に違いはありません。

ただ、私選弁護人は国選弁護人と比べて

お金を多く受け取っている分、動きがよい

と表現される場合があることは事実です。

今回は、被疑者の防御権と題して

逮捕された被疑者も

逮捕されていない被疑者についても

当てはまる被疑者の防御権について

説明します。

被疑者の防御権

被疑者の防御権には

黙秘権

弁護人依頼権

接見交通権

勾留理由開示請求権

勾留取消請求権

証拠保全請求権

不服申立権

などがあります。

今回は、この中で一番インパクトが強い

黙秘権と接見交通権

について詳しく書きます。

被疑者の黙秘権

黙秘権が告知される時期は

取調べの際に告知すればよい

とされています。

被疑者の防御権の欄で書きましたが

黙秘権は刑訴法だけでなく

憲法第38条1項に規定されていること

です。

つまり、取調べをする検察官や

司法警察職員が黙秘権の告知を

怠った場合、これは憲法違反になる

ということです。

検察官や司法警察職員のことは

私が別でブログを書いているので

ぜひ読んでください。

↓リンクです。

検察と警察の違い
検察官と警察官事件を捜査する二つの立場があります。私たちの生活では、警察官のほうが身近に感じられると思います。そもそも検察官の数より警察官の数のほうが圧倒的に多いですし、検察官が所属する検察庁の数より、警察官が所属する警察署や交番は明らかに多いです。交通違反を取り締まったり、職務質問をされたりと、私たちの生活に近いのは警察官のほうです。ですが、検察官も警察官も日常生活で関わる人たちではありません。関わらないので、その違いは分からないものです。そこで、それぞれの立場について書きます。法律的な立場で説明します。裁判をするのが検察官で、裁判の準備をするのが警察官です。

黙秘権が侵害された取調べは

自白の証拠能力が否定される場合が

あります。

取調べの拒否はできるのか

憲法や刑訴法で黙秘権が認められるなら

検察官や警察官の取調べは拒否できるのか

という疑問が出ます。

身柄を拘束されていない被疑者は

逮捕されていないため

取調べを受ける義務はありません。

しかし、身柄を拘束されている被疑者

つまり逮捕された被疑者は

取調べを受ける義務が法律上存在するか

否かについて争いがあります。

この取調べを受ける義務は

『取調受忍義務』と呼ばれ

学説で有り無しが割れていますが

判例では、取調受忍義務を認めているもの

があります。

つまり、逮捕されていない被疑者には

取調受忍義務は無いですが

逮捕された被疑者については

取調受忍義務があるという判例が存在する

ということです。

取調受忍義務が認められるとする根拠と反対根拠

取調受認義務が肯定される説の根拠は

刑訴法第198条1項に

検察官、検察事務官又は司法警察職員は

犯罪の捜査をするについて

必要があるときは、被疑者の出頭を求め

これを取り調べることができる。

但し、被疑者は

逮捕又は勾留されている場合を除いては

出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去

することができる

と規定していることです。

条文の但書を反対解釈すれば

身柄を拘束されている被疑者は

出頭を拒み、又は出頭後

何時でも退去することができない

と読めるためです。

取調受認義務を否定する説は

憲法第38条1項が

何人も、自己に不利益な供述を

強要されない

と黙秘権を認めていることなどが

挙げられます。

接見交通権

弁護士の権利として

接見交通権があります。

被疑者が弁護人と接見したいと申し出た

場合には、検察や警察といった捜査機関は

直ちに弁護人に会わせなければ

なりません。

刑訴法第39条1項に、身体の拘束を

受けている被告人又は被疑者は

弁護人又は

弁護人を選任することができる者の依頼

により弁護人となろうとする者と

立会人なくして接見し

又は書類若しくは物の授受をすること

ができる。

などと規定されているからです。

弁護士がつくタイミング

国選弁護人は、勾留後にしかつきません。


刑訴法第37条の2で、被疑者に対して

勾留状が発せられている場合において

被疑者が貧困その他の事由により

弁護人を選任することができないときは

裁判官は、その請求により、被疑者のため

弁護人を付さなければならない。

ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人

がある場合又は被疑者が釈放された場合

は、この限りでない。

と規定されているからです。

つまり、勾留状が発せられていなければ

国選弁護人がつかないということです。

対して私選弁護人は

逮捕前からでもつけることができます。

私選弁護人が

国選弁護人よりも積極的に示談に入り

被疑者が不起訴になるように動く

ということは

お金が支払われている以上

現実的にあることです。

おわりに

今回は被疑者の権利を

書かせていただきました。

読んでいただき、ありがとうございます。

これからもみなさまのためになることを

書き続けたいと思っています。

次回もよろしくお願いいたします。


コメント

  1. […] […]

  2. […] […]

  3. […] […]

タイトルとURLをコピーしました