岡庭容疑者に向けられる情況証拠

事例ブログ

はじめに

 茨城県境町にある小林さんの住宅で2019年9月に小林光則さんと妻美和さんが殺害され、子ども2人が重軽傷を負った事件について、新たに明らかになった情報から事件のことについて法律的観点から説明します。

 今回のニュースなどで、岡庭容疑者はスマホで境町の事件当日の天候を検索していたことのほか、警察が集めた証拠の中にDNAなどの直接的な証拠は現時点では見つかっていないこともあきらかになりました。

 今回は、これまでに集まっていることが明らかになっている情況証拠をまとめながら説明します。

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集められた客観証拠(岡庭容疑者)
茨城県境町にある小林さんの住宅で2019年9月に小林光則さん妻美和さんが殺害され、子ども2人が重軽傷を負った事件について、新たに明らかになった情報から事件のことについて法律的観点から説明します。事件が報道される前に、事件についてネットで検索していたことです。 警察が、昨年11月に岡庭容疑者の家を家宅捜索した際に押収したパソコンを解析しました。そして、そのパソコンの解析で事件について頻繁に検索した痕跡を見つけたということです。

新たな情況証拠と明らかになっている情況証拠

 新たに判明した情況証拠として、これ自体がインパクトがある証拠ではありませんが、岡庭容疑者のスマホなどから、境町の事件当日の天候を検索していたこと犯行後に周辺の不審者情報を検索していた履歴が確認されました。

 これまでに明らかになった情況証拠を整理してあげます。

1,小林さんの次女が犯人から襲われた際に『熊除けスプレー』が使われており、同様の商品を岡庭容疑者がネットで購入していたことが判明したこと。

 これ自体が『岡庭容疑者が犯人だ』と言い切る材料にはなりません。

 しかし、このほかにも集められた証拠たちと合わせることで、『岡庭容疑者が犯人だ』といえる材料になってくるプラスな証明です。

2,現場に残されていた足跡に似たレインブーツを岡庭容疑者が事件前に購入していたこと。

 どのようなレインブーツなのかは明らかとされていませんが、もし、流通量が少ないレインブーツだった場合などは、岡庭容疑者が小林さんの住宅へ行った可能性を証明する材料の一つになる可能性があります。

3,岡庭容疑者が、事件前にインターネットで小林さん方付近の情報を検索していたこと。

 岡庭容疑者のパソコンなどを調べたところ、事件現場となった住宅付近の情報をネットで検索した履歴が残っていたほか、事件と別の日に撮影したとみられる現場付近の画像もスマートフォンから見つかったということです。

 ポイントは事件前に検索していたことです。

4,犯行後に周辺の不審者情報を検索していたこと。

 岡庭容疑者が住んでいる場所と小林さんが住んでいる場所は遠く離れています。

 なぜ、そんな遠く離れた場所の不審者情報を検索する必要があったのでしょうか。

 この検索単体ではインパクトがある証明ではありません。

 しかし、積み重ねていくことで岡庭容疑者が犯人であると推認させる証拠になる可能性はあります。

5,事件前にスマートフォンで小林さん方の現場周辺の地図などの状況を検索していたこと。

 これも4番と同じ理由です。

 岡庭容疑者が住んでいる場所と小林さんが住んでいる場所は遠く離れているのに、なぜ検索する必要があったのでしょうか。

 行く予定をしていたと疑わせる情況証拠の一つになり得ます。

6,小林さん方を事件前に撮影した動画があること。

 事件が報道される前に事件についてネット検索ができるのは事件について知っている者だけです。

 これは、岡庭容疑者が犯人であることを証明する情況証拠の一つになり得ます。

 事件があったことを知っていなければ検索ができないからです。

7,凶器と思われる刃物を発見したこと

 警察が集めた証拠の中にDNAなどの直接的な証拠は現時点では見つかっていないというニュースが流れています。

 つまり、凶器からは小林さんご夫婦のDNAが見つかっていないということです。

 あとは、刃物の形状が小林さんが受けた傷と合うかということです。

これらについては、このブログで検討しています。

茨城県境町殺人事件の推理
警察は次女に使われたスプレーと同一の可能性があるとみて確認している最中です。つまり、事件前に岡庭容疑者が犯行用具を持っていた可能性がある人物ということになります。別事件での押収品とは、昨年11月に警察が殺人予備罪で岡庭容疑者の自宅を捜索したときの押収品のことだと思われます。警察は、岡庭容疑者から刃物や衣類など計約600点を押収しています。そして『別事件での押収品の刃物の鑑定結果から』とあるのは、小林さんご夫婦や長男などの血液が、この刃物に付着していたという意味だと捉えるのが自然だと思います。室内から凶器が見つかっていないことから、岡庭容疑者が凶器を自宅に持ち帰って保管していた可能性はあると思います。
岡庭容疑者が犯人である可能性について
茨城県境町にある小林さんの住宅で2019年9月に小林光則さん妻美和さんが殺害され、子ども2人が重軽傷を負った事件について、新たに明らかになった情報から事件のことについて法律的観点から説明します。

これら情況証拠からいえること

 岡庭容疑者のスマホの履歴という客観的な証拠から、岡庭容疑者が、事件が報道される前に事件のことを検索していたという証拠が発見されていることから、岡庭容疑者が報道される前に事件のことを知っていたという疑いは強いと思います。

 天気予報の検索、小林さんの家の動画、レインブーツなど、一つ一つが弱弱しく見える情況証拠でも、積み重ねれば直接証拠と変わらない力を持つのが情況証拠です。

 これからも、岡庭容疑者のスマホを中心として、新しい証拠が発見される可能性があると思いますし、残りの勾留期間にどれだけの証拠が見つけられるのか、これからも注目していきます。

 情況証拠と直接証拠については、このブログを読んでください。

情況証拠だけで有罪になるのか
近年、情況証拠を積み重ねて逮捕などをした事件が目立っています。しかし、情況証拠は最近になってできた新しい制度ではありません。少しでも世間の法律に関するリテラシーを上げていきたいという一心で、今回は情況証拠について書きます。結論から言うと、情況証拠だけで裁判で有罪にすることが可能です。今回は判例などをもとにしてこれを説明します。

さいごに

 今回は、5月13日時点でニュースになっている情報をもとにして、法律的観点から岡庭容疑者が犯人である可能性や現状について考えました。

 私は、法律の知識があるからこそ、自分の知識や見方を発信していくことが、世間の法律に関するリテラシーを上げることに繋がると信じています。

 これからも新しい情報が発信されれば、その情報から何が言えるのかを改めて自分の意見を発信していきたいと考えています。

 さいごに。

 私は、警察の捜査に興味があったので、元警察官が描いたというマンガを読んでみました。

 ハコヅメというマンガです。

 今回の事件など、現実で起こる事件でもマンガに描かれているような葛藤やジレンマ、法律と常識とのギャップで苦しんでいるんだろうなという描写があり、とてもリアルなマンガです。

 警察官の考え方が描かれていて、いろいろな視点を養う意味でもとても便利なマンガだと思ったので、とてもオススメなので、ぜひ読んでみてくだい!

 今回は、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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